インタビュー

独占インタビュー(2011年1月下旬)

2011年1月下旬、都内某所で戸辺先生にインタビューした模様です。振り飛車への想いや将棋に対する考え方などを語っていただきました。

【振り飛車党と居飛車党】 ―振り飛車に「愛」がある

−最近居飛車を指す振り飛車党が増えてきましたが、指してみたいと思いますか?

戸辺 私も新四段の頃は何局か居飛車を指したことがあるんですよ。レパートリー増やしても面白いとは思うのですが、どうしたもんかなぁ〜(笑)
居飛車もやれた方がいいんでしょうけど、そんな居飛車やってすぐ勝てるほど甘いものではないし、振り飛車を見たいっていう人もいるだろうし、あと結構振り飛車に「愛」があるというか、振り飛車ダメになったからといって居飛車指すのではみっともない。

−まだ「ダメ」にはなってませんよね?(笑)

戸辺 「ダメ」には全くなってないですし、振り飛車をずっとやってる人に申し訳ないというか、「あぁ、なんだよ戸辺も居飛車やるのか」ってなるのが・・・。最近全然勝てないっていうならあれですけど、できることなら振り飛車で芸を広げていきたい。

−やはり振り飛車でタイトルを取りたい?

戸辺 ・・・あんまりタイトルを取りたいと思わないんですよね。勢いだけで取っちゃうとかあんまりよくなくて、実力が付いていればタイトル取れなくても自分で納得できてそれでいい。見てる人は結果なんだけど、やっぱり私は「結果よりも内容」。まあけど贅沢言ってられないし、結果も出さないとなぁ(笑)

−棋士の人はどちらに重きを置いているものなんでしょうか?

戸辺 内容じゃないですか。いい将棋指してれば、勝っても負けても納得できますね。逆に勝ってるのに自信なくなってくるときがありますから。例えばすごい逆転勝ちが続いたり、作戦勝ちから押し切る内容が続いたりすると・・・

−作戦勝ちから押し切るのはいいんじゃないですか?(笑)

戸辺 それはいいのかな〜(苦笑)、なんか弄れているから「俺、こんな実力じゃないんじゃないの」ってなる。まあけど私は研究家じゃないから。

−えっ、そうだったんですか?研究家とよく書かれてますけど。

戸辺 多少はしてますけど、全てを網羅しているというわけではない。右から左まで研究していて、「これにはこう、これにはこう」っていうので勝つタイプじゃないから。ほとんど感性で指してます。

−では先生の目から見て、振り飛車の研究家で隅から隅まで行き届いている人は誰なんですか?

戸辺 やはり村山くんとかよく知ってるんじゃないですか。居飛車党だけど、対策とか。他には阿部くんとか。居飛車党なんですよ、隅から隅まで研究するのは。菅井くんとかも研究より感性ですよ。

−菅井先生は研究がすごいというイメージでしたが?

戸辺 アイデアが豊富なんですよ。久保さんとか。全部完璧に研究しているわけではなくて、「ここはこうやったら面白いかな」っていうアイデアがいっぱい思い浮かぶから、結構試しながら指している感じです。今は振り飛車に風が吹いてますが、たまたまであっていつまで続くか分からないですね。
居飛車やって1,2年して丸山先生みたいな味が出てメチャクチャうまいならいいですけど、ただやって、「誰々を少し弱くしただけでしょ」ではダメ。

−藤井先生は居飛車を指しても独自性を出してますよね。早囲いの流行も作りましたし。

戸辺 あれは素晴らしいです。あそこまでいければ(居飛車指すのも)ありですね。


【王位戦】 ―今までで一番将棋を教わっているのは深浦先生


−それでは王位リーグの話を。初戦は藤井先生ですが。

戸辺 公式戦は初めてですね。奨励会三段のときに研究会の代打で1年に1,2回呼んでもらって3,4回相振り飛車で。私が穴熊やって、作戦負けから粘って、時間ないから逆転するという展開が多かったですね。けど、公式戦は全然違いますよ。たぶん相振りじゃないですか。私が最も苦手なタイプですね。序盤巧者で自分の型を持ってて、全般的に強い。けど、初戦勝負です。初戦勝つと負けるでは全く違いますから。

−2戦目は谷川先生です。練習将棋も含めて初手合いですか?

戸辺 そうですね。緊張します。やはり格がありますよね。その谷川先生よりリーグ表の名前が上にあるのが・・・(苦笑)

−谷川先生が先手ですから、相振りかもしれませんね。

戸辺 ありえますね。・・・でもいい将棋指してトータル4勝1敗を目指したい。去年4勝1敗でびっくりしたんじゃないですか?

−正直(びっくり)しました(笑)でもその1敗が去年最も悔しい1局だったとか。

戸辺 まあそんなもんですよ。勝てなさそうなところに勝って、そうでないところに負けて。今年もいい将棋指せれば3勝2敗になっても納得の陥落ですよ。いや、けど勿論4勝取りにいきますけどね(笑)頑張ります。

−隣のリーグもすごい面子ですよね。

戸辺 曲者と実力者たちしかいないので、総当りは相当きついですよ。両極端、こってりと・・・(笑)

−3戦目の遠山先生とは公式戦で1局。

戸辺 三段リーグでもやったことありますね。そんなに苦手ではない。相振りでしょうけど、遠山さんが居飛車やる可能性もあるし、私が居飛車やるかもしれない。相居飛車かもしれませんよ(笑)どっちが先手でしたっけ?

−遠山先生です。

戸辺 あぁ、私が居飛車もありますね。序盤9六歩とか変化するかもしれませんし、前回の対局はそのような変化の序盤で私が居飛車でしたからね。

−4局目は深浦先生。これは間違いなく戸辺先生の振り飛車。

戸辺 そうですね。今までで一番将棋を教わっているのは深浦先生。同じぐらいが鈴木先生。公式戦は初めてです。

−感慨深いものがありますね。しかも王位戦の深浦先生ですし。

戸辺 やばいでしょうね。気合はすごいでしょう。でも最終戦が豊島戦で楽しめそうです。豊島くんは最後まで(挑戦者争いに)絡んでくると思うので。私と豊島くんのどちらかは絡んでくるはずです。

−豊島先生も今の勢いを考えるとありえますね。

戸辺 そうですね。王将リーグよりうすいですから。

−豊島戦も相振りの可能性あるので、最大4局相振りかもしれませんね。相振りと対向形でしたら、どちらが勝率高いんですか?

戸辺 相振りでしょうね。公式戦の数も少ないですし。

−紅白どちらのリーグがよかったというのはありますか?

戸辺 ないですね。どうせ片方のリーグ抜けても片方から誰か出てくるわけですし。強くないと抜けられません。

−それでは最低残留、最高奪取を目指して是非頑張ってください。私もタイトル戦の現場に行きたいです。

戸辺 ありがとうございます。頑張ります。

−あっ、そういえば棋聖戦の決勝トーナメントも始まります。

戸辺 初戦でいきなり竜王ですから、「もうちょっと楽しませてよ」って感じですね(笑)


【順位戦など】 ―あれで勝ったら超一流

−順位戦は上もなかなか崩れませんでしたね。

戸辺 まあ順位戦は無理ですよ。そんな甘いものじゃない。そんな簡単にポンポンポンとはいかないんですよ。

−ポンポンまではいきましたけどね(笑)※2期連続昇級

戸辺 ついてるんですよ。すごいラッキーなんですよ。B2に5年ぐらい停滞してもおかしくないです。降級点取るかもしれないという気持ちでやらないと。けどこんなものです。負けてもがっかりしないし、これでがっかりきていてはダメですよ。C2がすごいラッキーだったので、あとは実力で上がりたい。

−王位リーグは実力だったかと。

戸辺 1回目ですからね。2回目はみんなマークしてくるから。そこで結果出さないと本物ではない。

−野球とかは苦手なコースとか癖とか研究されてマークの影響ってきついと思うのですが、将棋はそんなにマークの影響はあるんですか?

戸辺 あるんじゃないですか。例えば初めてやるときは自分が格上の場合、ちょっとお手並み拝見となるんですよ。けど、結構強いことが分かると2回目以降は、何とかして自分の得意型に持っていこうとして勝負に徹する。

−去年の羽生戦ですか?

戸辺 うーん。あれで(王位戦紅組プレーオフ)勝ったら超一流なんですけどね。やっぱなかなか・・・けど頑張った方ですよ。

−なるほど、そういうのを聞くと観戦側も色々考えられて一段と楽しくなりますね。今日は長い時間、ありがとうございました。


基礎編

Q1、身長は?
A1、164p

Q2、体重は?
A2、58s

Q3、血液型は?
A3、O型です。

Q4、利き腕は?
A4、右利き、将棋は何故か左利き。

Q5、趣味は?
A5、スポーツ観戦、音楽、映画。

Q6、好きな食べ物は?
A6、お刺身、肉、野菜が好き。

Q7、苦手な食べ物は?
A7、エビと貝類がちょっと苦手。

Q8、座右の銘は?
A8、継続は力なり。

Q9、将棋を始めたきっかけは?
A9、父が好きで教えてもらった。

Q10、将棋を始めた年齢は?
A10、9歳、3年生の秋頃?

Q11、子供の頃の得意戦法は?
A11、右四間飛車

Q12、現在の得意戦法は?
A12、攻める振り飛車

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